アルミニウムの基礎知識

   

アルミニウム

アルミニウム素材は大まかにどのような分類がありますか?

アルミニウムを製造別に分類すると、展伸材と鋳造材に分かれ、展伸材には板、棒、形材、線等があり、鋳物材にはダイカスト、砂型鋳造、金型鋳造等があります。

   

耐食合金、高力合金等の名称が図面にありますが、この意味は何ですか?

1970年にJISの大幅改正が行われ、アメリカのアルミニウム協会(A.A)の記号にならうようになりました。この時の旧JIS記号の呼称を言います。新旧対称名を下記に示します。   

0:高純度アルミニウム、  1:アルミニウム、  2:耐食アルミニウム合金   

3:高力アルミニウム合金、 4:耐熱アルミニウム合金

例:  A1P0(特2種):A1070P、  A1P3(3種):A1100P

  A2P1(1種):A5052P、   A2B2(2種):A5056B

  A2B5(5種):A6063BE、   A3P1:A2014P

  但し、P,B,BEは形状記号。

   

分類法に熱処理による分類がありますが、熱処理、非熱処理合金とは何ですか?

アルミニウム合金には熱処理合金(2000番系、6000番系、7000番系)と非熱処理合金(1000番系、3000番系、5000番系)の2種類があります。

   

展伸材とは何ですか?

プレスや鍛造や押出し加工用の材料です。アルミニウム合金には1000番系から7000番系まで添加元素の違いによって分けられています。展伸材用合金は、板、条、形材、箔、管、棒、線およびリベットに使われる展伸加工性に優れた合金で、鍛造品もこれに含まれます。

   

鋳造(鋳物)とは何ですか?

アルミニウム合金などの金属を溶かし、砂等で作成した鋳型(いがた)に流し込んで作る製品のことです。溶かして流し込みを行うことで、複雑な形・模様を作ることができ、作る方法のことを鋳造(ちゅうぞう)といいます。融点よりも高い温度で液体にして金型に流し込み、冷やして固める方法です。鋳造性とか強度とか耐蝕性など求める目的によって多くの種類が揃っています。おもな用途は、エンジン部品・軸受・ピストン・椅子など。

   

ダイカストとは何ですか?

アルミニウム合金などの金属を溶かし、金型へ圧入して成形します。 圧入することによって高精度で鋳肌のきれいな鋳物を大量生産することが可能な製造方法です。おもな用途は、カメラのボディ・オートバイ部品・自動車部品・産業機械部品など。

   

前処理

前処理とは何ですか?

目的とする外観と性能を得るため、アルマイト前に行う。材料の前処理は外観仕上がりに大きく影響するので意匠性が優先の製品は各特徴を良く理解して設計する必要がある。

   

機械的前処理とは何ですか?

アルミニウム表面処理を行う時の前処理の名称の1つで、道具、機械等を使用して物理的に表面を平滑又は凹凸、筋模様をつける装飾的な使用方法と、鋳物、ダイカスト等へのショットピーニング、ブラスト、研掃等の表面調整としての処理がある。アルマイトの場合は、磨き、バフ研磨、ホーニング、スクラッチ、ヘヤーライン等がある。

   

化学的前処理とは何ですか?

展伸材等の表層の不純物除去、鋳物又はダイカスト等のスケール等の表面調整を化学的に行う処理で、アルカリエッチング、酸洗い、スケール除去等があり、機械加工と前後して行う処理である。

   

脱脂とは何ですか?

素地表面に付着し陽極酸化処理に悪影響を及ぼす加工油、錆止め油その他の汚れを除去するために行います。

   

脱脂にはどのような種類がありますか?

有機溶剤、界面活性剤、硫酸、電解脱脂、アルカリ脱脂、乳剤脱脂、リン酸塩等があります。付着している油の種類によって脱脂性能が異なるので、脱脂方法の選択には注意を必要とします。洗浄効果を上げるために空気撹拌、超音波による振動などを合わせて利用します。

   

エッチングとは何ですか?

化学的または電気化学的に品物の表面を溶解しながらあらす方法

   

エッチングにはどのような種類がありますか?

アルミニウムのエッチングには酸性エッチングとアルカリ性エッチングがあり、代表的なものに、酸性エッチングでは硫酸―クロム酸系、硫酸系、弗酸及びフッ化物系、塩酸系があり、アルカリ性エッチングには水酸化ナトリウム等があります。

   

中和とは何ですか?

酸性物質とアルカリ性物質とか正負の電荷のイオンとかのように、性質の反するものが触れて、それぞれの特性を失うことまた、そうするように処理すること

   

スマットとは何ですか?

アルミニウムの場合、アルカリ溶液でアルミニウム及びその合金をエッチングした時に生じる)白~グレー~黒の残渣(ざんさ)を言う。AL-Si系合金では灰色系、AL-Cu系合金では黒系、AL-Zn系合金は灰黒系のスマットが多く発生し、手で擦るとスマットが付きます

   

研磨にはどのような種類がありますか?

ベルト研磨、ブラシ研磨、スチール研磨、グラインダバフ研磨、バフ研磨、バレル研磨、ろくろ研磨、ラッピング、墨とぎ、電解研磨、化学研磨などがあります。

   

化学研磨とは何ですか?

化学反応により研磨することにより、光沢を上げる。主たる液はリン酸で高温処理し、光沢、焼け等により添加剤を加える。液組成はリン酸系で高温処理が多い。化学研磨において、光沢を上げるために硝酸を添加するとNOxガスの問題が発生します。硝酸を添加しない化学研磨液も発売されていますが光沢を上げる難しさがあります。

   

電解研磨とは何ですか?

電解研磨とは電気化学的に表面を研磨する方法で、リン酸が主成分で高温、高電流密度で処理を行う。光沢は化学研磨よりよく、条件、材質により鏡面に近い光沢が出ます。

   

化成処理

化成処理とは何ですか?

金属表面上に化学酸化剤の反応によって酸化皮膜を生成させる処理、化学皮膜とも言います。

   

化成処理とアルマイトはどう違うのですか?

アルマイトは電気化学的に皮膜をつくる処理で、化成処理は化学反応で皮膜をつくる処理です。アルマイトは、一般的に電気を通しませんが、化成皮膜は通すものがあります。耐食性はアルマイトにはJIS規格・MIL規格で決められていますが、化成皮膜はMIL規格で決められていて、民生の場合は当事者間で決めることが多くあります。

   

化成処理の特長は何ですか?

①コストが安価である。②化成皮膜によっては通電部位に使用できる。③仮防食としての使用が可能である。④塗装の密着性がよい。⑤耐熱性がある。

   

化成処理にはどのような種類がありますか?

大別するとクロム系とノンクロム系に分けられます。①クロム系には六価クロム系と三価クロム系があり、②ノンクロム系にはリン酸系、マンガン系、ジルコン系等があり、近頃はノンクロム系と三価クロム系に移行しています。

   

化成処理の耐食性はどうですか?

民生品では当事者間協議で決めております。MIL規格には塩水噴霧試験で168時間噴霧を行い規定の評価・判定をいたします。 ・ダイカスト(ADC12)については規定がありませんが、通常、塩水噴霧試験72時間噴霧でRN9.8以上と思われます。◎弊社開発のADC12用高耐食性化成処理は通常、塩水噴霧試験336時間噴霧でRN9.8、1000時間噴霧でRN9.5まで可能です。

   

化成処理の耐摩耗性はどうですか?

化成処理はアルマイトと違って耐摩耗性はありません。化成処理を布等で強く擦ると皮膜が剥がれ落ちてしまいますので注意が必要です。

   

化成処理の性能評価はどのように行うのですか?

化成処理に求められるものは通常、耐食性と密着性、通電性があり、代表的な試験には耐食性は塩水噴霧試験、密着性には碁盤目試験、導通性には4探針又は2探針法があり、評価については当事者間で決めています。

   

塩水噴霧試験とは何ですか?

  1. 塩水噴霧試験は大気腐食を対象にした腐食試験法の一つで、腐食液(5%塩化ナトリウム水溶液)を35℃の雰囲気下で連続または間欠的に噴霧した雰囲気に試験片をさらして行う試験です。自然状態で長時間費やして生じる腐食挙動を、短い時間に圧縮して評価する促進試験法の1つです。 
  2. 規格としては、ISO9227、JIS Z 2371、JIS H 8502 、ASTM B 117等があります。 
  3. その他、腐食試験でよく使用される試験機として複合サイクル試験があります。

   

基盤目試験とは何ですか?

  1. 碁盤目試験法、クロスカット試験法は塗装の品質性能である密着性・付着性を調べる試験です。切り傷の間隔が1mmの場合、試験面にカッターガイドを使用し、カッターナイフを用いて、素地に達する11本の切り傷を縦、横よりつけ100個の碁盤目を作ります。切り傷の間隔は1mm、2mm、5mm等が用いられます。 
  2. 碁盤目部分にセロテープを強く圧着させ、テープの端を45°の角度で一気に引き剥がし、試料の未剥離部分の数量で評価します。 
  3. JISでは以下のように規定されています。廃盤となった旧「JIS K5400 塗料一般試験方法」の碁盤目法、碁盤目テープ法、クロスカット(K5400ではX字にカット)は1999年に制定された「JISK5600 塗料一般試験方法」の5-6に移行し、碁盤目の数が旧碁盤目試験法の100マスから 新しく決められたクロスカット法は「素地まで達する6本の格子状(碁盤目様)の切り込みを入れた」時にできる25マスと試験方法が簡略化されました。JIS K5600ではクロスカット法は、「付着性の測定手段とみなしてはならない」とあります。

   

付着力試験(エルコメーター試験)とは何ですか?

付着力試験とは、塗膜と下地面、塗装層同士、または下地の付着力を定量的に求めるプロセスのことです。 

測定器としてエルコメーター試験機を使用します。測定範囲によって5種類の中から選択(0~0.2、0~3.5、0~7.0、0~15、0~22MPa)します。ドリー(円筒形の引張端)を接着剤で塗膜に固着させてから、ドリーを引き上げる力を徐々に強め、ドリーを引き上げる(プルオフする)という方法です。塗膜が剥がれたときに目盛を読み取り、この値が塗膜の付着力となります。 なお、試験後にドリーの接着面を検査して、試験が失敗しなかったことを確認する必要があります。試験機についてはエルコメーター社のHPをご覧ください。

   

陽極酸化処理

アルマイトとは何ですか?

アルマイトとはアルミニウムの陽極酸化皮膜の通称名で、身近なところで、お弁当箱、窓のサッシ等に白、銀、茶色がありますが、これらはアルミニウムが錆びにくく、傷つきにくくする為の薄い酸化皮膜をアルマイトと呼んでおります。

   

アルマイトはどのように作るのですか?

硫酸などの溶液中で、素材のアルミニウムを陽極にして電流を流し、アルミニウムの表面に酸化皮膜を生成させる処理です。皮膜はハチの巣のような六角柱の構造をしています。

   

アルマイトはどのような形をしているのですか?

皮膜はハチの巣のような六角柱の構造をしています。皮膜は多孔質層(ポーラス層)と呼ばれる孔(穴)+壁とバリヤー層よりできています。

   

アルマイトと陽極酸化の違いは何ですか?

アルマイトは陽極酸化皮膜の通称名で、商標登録(ALMITE)から由来した言葉です。

   

アルマイトはどこに、どのように使われていますか?

一般的に広く知られているのは窓のサッシなどのアルミ材や、日用品では弁当箱、鍋、電子機器ではスマホ、測定器の筐体、その他にも光学部品・電車や航空機の内外装品・自動車部品・光学部品・半導体部品・照明機器・医療機器などに幅広く使用されています。

   

アルマイトは電解液の種類によりどのように分類されますか?

無機酸系と有機酸系、混酸系、アルカリ系があり、各代表的なものには、無機酸系の硫酸、リン酸、有機酸系には蓚酸、混酸系には硫酸+シュウ酸等があり、アルカリ系の代表例では水酸化ナトリウムがあります。

   

アルマイトの特長は何ですか?

アルマイトを行うことで、錆びにくくなる、硬くなり傷がつきにくくなる、滑りやすくなる、電気が通りにくい、各種の染色ができることによる装飾等の優れた特長があります。

   

アルマイトは着色可能と言われていますがどのように行われますか?

アルマイトの色付けには大別して、染色法、着色法、自然発色(電解発色)法があります。染色法は染料中に浸漬することによりアルマイトの孔の上面(表面側)に染料が沈着し染色されます。着色法(電解着色、2次電解、浅田法とも呼ぶ。)は電気を利用して孔の底部(素地に近い側)に金属が沈着することによる着色法です。自然発色(電解発色とも呼ぶ。)はアルマイトの壁が合金種や電解液、条件により発色する方法です。

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