表面処理とは何ですか?
表面処理とは、強度や耐久性を高めるため、材料の表面に研磨や塗装、めっき、熱・化学処理などの方法で処理加工することを意味します。その種類は多岐にわたります。
アルマイト(陽極酸化)とは何ですか?
アルマイトとはアルミニウムの陽極酸化皮膜の通称名で、アルミニウムが錆びにくく、傷つきにくくする為の薄い酸化皮膜のことを指します。
私たちの身近なところでは、お弁当箱、窓のサッシ等に使用されており、白、銀、茶色で色付けされているものもあります
アルマイト(陽極酸化)の特長を教えてください。
アルマイト(陽極酸化)には下記のような優れた特長があります。
①錆びにくくなる
②硬くなり傷がつきにくくなる
③滑りやすくなる
④電気が通りにくい
⑤各種の染色ができることによる装飾等
アルマイトの構造はどのような形でしょうか?
アルマイトの皮膜はハチの巣のような六角柱の構造をしています。皮膜は多孔質層(ポーラス層)と呼ばれる孔(穴)+壁とバリヤー層より出来ています。
≪アルマイトの構造写真≫
アルマイトの用途
一般的に広く知られているのは窓のサッシなどのアルミ材や、日用品では弁当箱、鍋です。電子機器ではスマートフォン、測定器の筐体、その他にも光学部品・電車や航空機の内外装品・自動車部品・光学部品・半導体部品・照明機器・医療機器などに幅広く使用されています。
アルマイトと陽極酸化の違いは何ですか?
アルマイトは陽極酸化皮膜の通称名で、商標登録(ALMITE)から由来した言葉です。
アルマイトとめっきの違いは何でしょうか?
分かりやすく人間に例えるならば、アルマイトは細胞が変化して皮膚になったとすると、めっきは洋服の様に皮膚の上から覆うものと考えてみてはいかがでしょうか?
アルマイトは、アルミニウム(素地)が酸素と結合して酸化アルミニウムへ変化しているため、アルミニウム素地と一体化しており剥離が難しいです。
一方、めっきは洋服の様に素材と違った金属を持ってくるため、洋服を脱ぐと同じように剥離がしやすいことが知られています。しかし近年のめっき技術は各段に進歩し、剥離による不具合は極端に少なくなっています。
性能の代表例として、アルマイトは絶縁性やカラーリング、めっきは導体、金属光沢が可能です。
アルマイト(陽極酸化)の作り方
硫酸などの溶液中で、素材のアルミニウムを陽極にして電流を流し、アルミニウムの表面に酸化皮膜を生成させる処理を行うことで作製されます。
≪アルマイト(陽極酸化処理)の作り方≫
アルマイト電解液の種類
無機酸系と有機酸系、混酸系、アルカリ系があります。
各電解液の代表的な種類として、
無機酸系:硫酸、リン酸
有機酸系:蓚酸(シュウ酸)
混酸系:硫酸+シュウ酸等
アルカリ系:水酸化ナトリウム があります。
アルマイトは着色可能と言われていますが、どのように行われますか?
アルマイトの色付けには大別して、染色法、着色法、自然発色法があります。
【染色法】
染料中に浸漬することによりアルマイトの孔の上面(表面側)に染料が沈着し染色されます。
【着色法】
電気を利用して孔の底部(素地に近い側)に金属が沈着することによる着色法です。電解着色,二次電解,浅田法とも呼ばれます。
【自然発色】
アルマイトの壁が合金種や電解液、条件により発色する方法です。電解発色とも呼ばれます。
精度物(H)処理とは何ですか?
①機械加工の嵌め合いである、H(内寸),h(外寸)交差の寸法精度に対応した処理で、寸法精度にあわせて皮膜厚さを変えることができる特殊処理です。
②加工上のばらつき、規格外等についても指定の公差に入れることができる処理法です。
アルマイト処理を行うと毎回H7公差が大きくなり、5~15%の製品を破棄しています。解決方法はありませんか?
当社の精度物アルマイトを是非お試しください!
H7公差の機械加工のバラツキ範囲が不明ですが、通常の加工でしたら、0.005㎜の公差に入ります。