硬質アルマイトの硬さはJIS規格で断面にて測ることになっております。
表面から硬さを測定すると皮膜厚さが硬さに影響されます。これはマイクロ・ビッカース硬度計の圧子が正四角錐のダイアモンドでできていて、この圧子を試料面に一定速度で打ち込むために硬質アルマイト皮膜の様に皮膜と素地が極端に硬さの差がある場合には表面から打ち込むと皮膜が薄いと圧子が皮膜を突き抜けて素地まで達することにより柔らかめに出ます。
皮膜厚さが厚くなるにしたがって素地の影響を受けにくくなるので、厚膜になるにしたがって硬さが増すようになります。
硬質アルマイトの皮膜硬さはJIS規格(H8603-6.3)に記載があるように「皮膜の硬さは断面」で行うようになっている。詳細については規格を参考にしていただければ幸いです。
硬質アルマイトの、間違った硬さの測り方
硬質アルマイトの皮膜硬さは350~400HVで、素材が90~110HVのために圧子を打った時に薄膜(20μm以下)だと素材の影響をまともに受け実際の皮膜より柔らかく出て、極端に薄い(10μm以下)場合は座屈をして圧痕の周りにクラックが発生することがあり、薄い皮膜は柔らかめに出る傾向があるので、皮膜を厚くし素材の影響を極端に少なくすると皮膜は本来の硬さに近くなります。
このように表面から硬さを測定するときは皮膜厚さを50μm以上で規格の荷重より小さい、25g又は10gを使用しないと素材の影響を受けることになります。
しかし、表面からの測定は暫定的であり、参考にされるのは良いですが硬さの数値とはなりません。硬さの測定でお悩みの方はご相談いただければ幸いです。
硬質アルマイトの硬さは、規格では断面で測定することになっています
アルマイト及び硬質アルマイトの皮膜の硬さはJIS規格(H8603-6.3)に記載があるように皮膜の硬さは断面で行うようになっています。
今回の皮膜を厚くすると硬度が上がるとありますが、通常は皮膜を厚くすると電解液に接している表面の溶解量が増して表層側が柔らかくなるのですが、今回はこれの逆なっていますので、皮膜硬さは表面側が柔らかく素材(アルミ)側が硬い傾向にありますので、今回の件を推察するにはビッカース硬度の規格はJIS-Z2244に記載されていて、特に皮膜を測定するときはマイクロ・ビッカース硬度計を用いる。この硬度計の原理は「正四角錐のダイヤモンド圧子を試料面に押し込み、その試験力(F)を解除した後、表面に残ったくぼみ(圧痕)の対角線長さを測定する。」と記載があるように、先のとがった四角錐で荷重をかけて一定速度打ち込むために、全体が同一材料か、積層の場合は圧子荷重が影響を及ぼさない厚みがあれば問題がありません。